マーケティングの定義は、世の中に溢れています。どの定義が正しいとは誰も言えないのがマーケティングであり、それこそがこの業界を大いに盛り上げている故でしょう。
では、マーケターはどこへ向かえばいいのでしょうか?正解なきマーケティングは不確かなことばかりです。それでも自社のマーケティングを定義し追究することで、不確かなものの中から必ず光が見えてきます。
マーケターはビジネスの発展のためにも、世の中に溢れるマーケティングを参考に自社ビジネスが進むべきマーケティングを定義し、そしてマーケターとして「これこそがマーケティングだ」というものを自分の中で確立していくべきでしょう。
当コラムでは、当社のマーケティング定義の中から5つをピックアップして紹介します。
マーケティングとは?
“ビジネス戦略に基づき需要と供給のバランスをコントロールする活動”
マーケターは、なんでもかんでも案件を創出すればよいものではありません。
なかには会社として積極的に売りたくない商材もあるでしょう。また、たくさん案件が取れても量産が追い付かず供給できないこともあり得ます。
一方、需要が見込めない市場にマーケティング活動をしても無駄になるでしょう。マーケターは、戦略に基づいた商材、営業リソース、生産供給力など社内の状況をきちんとおさえたうえで、市場を把握しビジネスのバランスをコントロールする活動が必要なのです。
マーケティングというレベルでモノコトを見るのではなく、ビジネスという視点を持つことが大切です。
デジタルマーケティングとは?
“ビジネスに必要な情報を見極めデータ化しビジネス戦略に基づき需要と供給のバランスをコントロールする活動”
当社マーケティングの定義に「ビジネスに必要な情報を見極めデータ化し」という言葉を付け加えています。
デジタルマーケティングとは、マーケティング活動にデジタルを用いることですが、“デジタル”=”人工的なもの”であることを理解しておく必要があります。
つまり、つくり出せるということです。
現在ある名刺データ、メールやWebアクセス情報などだけでなんとかビジネスを回すのではなく、例えば、対面の商談情報、紙面のアンケート、DMに張り付けたQR、CSへの問い合わせ、製品へのご意見、営業が電話した内容など、今デジタル化していない情報もデータ化して繋ぐことで、ビジネスに新たな気付きをもたらしたり、お客様にこれまで提供できなかった体験を提供できる可能性を秘めています。
今あるデータだけで戦うのではなく、武器や引き出しを増やすことで多角的なビジネス展開ができる可能性があります。これこそがデジタルマーケティングの醍醐味です。
ナーチャリングとは?
“お客様のゴール実現に向け尽くし改善する活動”
ナーチャリングは、一般的に“教育”と翻訳されています。
教育というと先生と生徒のような上下関係が垣間見え、日本の文化、日本のビジネススタイルにそぐわないという印象を得ていました。
例えば、親が子供を教育する時に難しい言葉で説明しても伝わりません。親は伝わらなかった原因を考え子供でも理解できる言葉に置き換えたり、わかりやすい例に置き換えたりして伝えるようにします。
つまり、GIVEしたTAKE側の反応をみてGIVEの仕方や内容などを変えていくこと(最適化)が大切なのです。このことからナーチャリングには、“尽くす”という言葉が相応しいと思います。まず自ら学び変わっていくことで相手も変わっていくところにナーチャリングの本質があると考えています。
アカウントベースドマーケティングとは?(ABM:Account Based Marketing)
“理想的な顧客像を追究し戦略に基づきお客様ゴール達成に向け継続的に支援する活動”
自社にとっての「理想的な顧客像」とは何か。これを追究し可視化して共通認識とすることがABMに必要不可欠な要素の一つと考えています。
「可視化できないコトは実行と評価ができない」とも言えますが、その可視化するためには、理由を明確にする必要があります。その理由を作るためにデータを活用します。
ABMが流行るアメリカでは、この「理想的な顧客像」をICP(Ideal Customer Profile)と言います。
そしてICPを特定するために、Technographic data(技術データ)、Firmographic data(企業データ)、Intent data(目的・意図データ)という3つのデータを集め機械学習ベースの予測分析とスコアリングなどから自動で導き出す企業もあります。
国土の広いアメリカでは、訪問商談するためのコストが莫大になるため、ターゲットを定めその企業を知るためにあらゆるデータを取得・活用しています。
データドリブンマーケティングとは?(DDM:Data Driven Marketing)
“データのインからアウトまでを戦略に盛り込んだマーケティング活動”
データドリブンマーケティングは、「データをいかに可視化して活用するか」というような“データありき”で語られることがみうけられます。
しかし、データドリブンマーケティングで最も重要なことは、データのインからアウトまでをきちんと戦略に従い考えることです。
データのインとは蓄積であり、アウトというのは活用、つまり分析や可視化さらに他のツールとの連携などを意味します。
データありきで考えられるビジネスは決まったキャンバスにピースをはめていくパズルのようなもので限界があります。しかし本来あるべきは、ビジネスに使えるデータを使い方から考えルール化して蓄積すること、そして汎用性を持たせ外部連携できることが最も重要です。
これにより、これまで想定していなかった自社ビジネスの可能性を発見できることもあります。つまりそこにデータドリブンの本当の価値が眠っているのです。
さて今回は、当社の用語定義の中から5つをピックアップして紹介いたしました。みなさまのご意見などもいただきながら、今後とも改善に努めて参ります。
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